どうも、かがりんです。
生ゴミコンポストやコンポストトイレを快適に使うために重要な発酵の知識。
「わかるようでよくわからない」発酵の世界について、簡単にまとめてみました!
この記事を読めばあなたも発酵マスター!
発酵とは
身の回りに発酵食品っていっぱいありますよね。
お酒、チーズ、納豆、キムチ、ヨーグルト、みそ、などなど。
だいたい、原材料となるものを発酵させて作るんですが、そもそも発酵ってなんや!
と思って調べるとこんな感じでした。
微生物が人間に有益なモノを生成する過程のこと
なんかザックリ。笑
ちなみに、人間に有益でないモノの場合は腐敗になるそうです。
つまり、その人が「有益だ」と捉えたら発酵で、「これはいらない」と捉えたら腐敗ということ。
発酵と腐敗の定義は人それぞれなんですね!びっくり!
「豆は好きだけど納豆は嫌い」って人にとっては納豆の発酵は腐敗になるんですかね。笑
微生物が有機物を分解するという点では発酵も腐敗も同じなんですね〜。
嫌気性発酵と好気性発酵
そんな微生物の力を借りて嬉しい変化を起こしてもらう発酵ですが、実は二種類あるんです。
あ、ここからはコンポストをイメージして話を進めていきますね。
その発酵の種類というのが「嫌気性発酵」と「好気性発酵」。
嫌気性発酵というのは空気に触れると死んでしまう、空気が嫌いな微生物による発酵のことで、好気性発酵というのは空気がないと死んでしまう、空気が好きな微生物による発酵のこと。
この嫌気性発酵と好気性発酵にはそれぞれ特徴があって、その時の目的や環境に合わせてどちらにするかを決めるみたいです。
嫌気性発酵の特徴
嫌気性発酵では、発酵させる有機物が空気が触れないようにする必要がある為、密封する必要があります。
後述しますが好気性発酵では生ゴミを入れる度に撹拌して空気を含ませる必要があるので、それと比べるとメンテナンスが楽です。
しかし、完全に無酸素状態を作るのは難しいですよね。
厳密に無酸素ではなくてもいいのですが、酸素が入りすぎてしまうと失敗して腐敗に傾きやすいので注意が必要です。
また、嫌気性発酵では分解過程でメタンガスと消化液が発生します。この為メタン発酵とも呼ばれたりするみたいです。
この消化液は水で希釈することで液肥として使用することができます。
また好気性発酵と比べて発熱が少なく、その分熱で死滅する微生物が少ないので栄養価の豊富な堆肥ができます。
好気性発酵と比べると発酵が完了するまでの期間が長いのも特徴です。
以上が嫌気性発酵の性質です。
具体的な密閉方法としては、ビニール袋やプラスチックの蓋つきバケツで密閉したり、土で覆って酸素に触れないようにするといった方法があるみたいです。
好気性発酵の特徴
嫌気性発酵に対して好気性発酵は有機物に空気を取り込むことが重要です。
なので定期的に有機物を撹拌したり、通気性のいい容器で保管する必要があります。
水分量が50%~60%の状態が発酵するのに適しています。発酵が進むと発酵熱によって水蒸気となり空気中に放出されるので、発酵を促すために水を足す場合もあります。
ちなみに、ウンコは約90%が水分らしいです。なので乾いた腐葉土やおがくずなどの基材を入れて、合計水分量50~60%を狙うと良いわけですねー。
好気性発酵は温度がとっても高くなるのも特徴です。良い感じに発酵すると65℃ぐらいまで上がります。
好気性発酵ではこの発酵熱が出始めると一気に発酵が進みます。それまではあまりかき混ぜすぎると温度が下がって発酵を妨げることになってしまうので気をつけましょう。
だいたい30~40℃になると好熱菌が活発になってググッと発酵が進むので、寒い時期は特に新聞紙や布を巻いたり、置いてある場所を温めたりして保温してあげるといいですね。
この発酵熱が出るまで、だいたい夏場だと2.3日、冬だと5.6日かかります。
雨の多い季節は湿気で水分量が多くなり、腐敗に傾きやすいのでよく乾燥した落ち葉や腐葉土、籾殻くん炭などを入れて水分量を調節してあげます。
好気性発酵、嫌気性発酵共に白カビはうまく発酵している証です。白カビが出たら喜んでOK!
ちなみに抱き麹は体温で麹を温めてあげて好気性発酵を促進するというやり方ですね。
抱き麹を温めるまさふみ。後ろで味噌を食べるソーヤー海。
組み合わせることもできる
嫌気性発酵と好気性発酵を組み合わせるといった方法もあるようです。
まず最初は容器の中で基材でカバーして嫌気性発酵させ、その後ある程度発酵が進んだ状態で置く場所を変えて好気性発酵に切り替える。
こうすることで好気性発酵だけの時よりも、少し発酵が進んだ状態で好気性発酵させる方がうまく発酵するというやり方をしている方もいます。
もしかしたら今の道場でのやり方はこれに近いのかも。
今度海くんかフィルに聞いてみよーっと。
発酵を活用した設備まとめ
以上が嫌気性発酵と好気性発酵についての特徴でした。
この発酵の力を活用した暮らしの設備をいくつかご紹介しようと思います!
生ゴミコンポスト
生ゴミコンポストは、家庭から出る生ゴミを微生物の力で分解して堆肥にするもの。
これ、めっちゃ良いですよ。超おすすめ!
ゴミの量がめっちゃ減ります。ゴミ箱からの腐敗臭ともおさらば!
都会でも気軽にできて、ゴミが減るから経済的で、地球にもやさしい。
これを使い始めたら、土に還せば栄養になるものをビニール袋に詰めて、ガソリンを使って運んで、化石燃料を使って燃やしているのが本当不思議に思えます。
生ゴミコンポストにもいろんな種類があって、写真はキエーロというもの。簡単に作れるのでおすすめです。市によってはキエーロを買うのに補助金を出しているという素敵なところもあるそう。
他にもダンボールで作れたり、既製品も販売されています。「コンポスター」とかで検索すると色々出てきますよ。
こちらのブログがわかりやすかったので貼っておきます。
トイレコンポスト
トイレコンポストは、おしっこやうんこを発酵させて土に戻すというもの。
ここにはいろんな哲学があって、これだけで一記事いけるボリュームになるのでここでは割愛。
大小分離する方法とか、撹拌する方法とか、調べると先人たちが奮闘している記事が色々出てきます。
実は僕も今大きい規模で快適に使えるコンポストトイレを試行錯誤しています。
「自分で作るのは難しいけど使いたい」って方には先輩(と僕が勝手に思っている)のモーリーさんが作ったRELIFEが超おすすめ!
一般家庭の規模ならこれが最適解なんじゃないかと思ってしまうほど。何より美しい。
気になった方はこちらをどうぞ。
生ゴミコンポスト&ガス
これは生ゴミから出るメタンガスを活用するもの。
詳しい仕組みはわからないけれど、生ゴミを嫌気性発酵させた時に出るメタンガスを活用しているのだと思われる。
2kgの生ゴミで2時間調理できるガスが得られるってすごい。
日本でもやってる人いるのかな?気になる!!
コンポスト&温水
これは発酵するときの発酵熱を使って温水を作るというもの。
黒いホースの中を水が通ってて、流れている間に温められるという仕組み。
僕のパーマカルチャーの師匠のフィルから聞いたのは、24平方メートルの大きなコンポストで65℃の温水が1分間に4L、これを18ヶ月流し続けられたという結果があるみたい。
発酵熱による温水!ガスいらず!微生物すげー!
酵素風呂
酵素風呂も発酵熱を活用したもの。僕もやったことあるけれどめっちゃ気持ちいいですよ。
デトックス効果もすごいらしくて、ガンにも効果があるとか。
男の人がやたらとかき混ぜてたのは好気性発酵をうまくさせるためだったんだなぁと納得。
以上!他にも思いついたら追加します!
まとめ
可能性の塊の発酵の世界、いかがでしたでしょうか。
あなたも地球も「菌」でできているよね
という言葉が好きで、本当そうなんだよなーと。見えない菌の存在をリマインドしてくれます。
発酵はそんな菌とうまく付き合っていくのに重要な要素だと思います。
次の世代のエネルギー源は「燃焼」から「菌」という話もあったり。
この記事があなたの発酵ライフに何か役に立てば幸いです!