味噌づくしの2日間
8/24,25の2日間でみそづくりをしてきました!
大阪で暮らしの在り方を見つめ直す活動をしている「冨貴工房」の冨田貴史さん、東京アーバンパーマカルチャーのソーヤー海くんと3人で進めてきたこの企画。
ほしの麹の星野潤くんによる抱き麹体験のギフトと、ブラウンズフィールドの中島デコさんによる味噌ランチ&味噌トークと盛りだくさんの2日間でした。
ただみそをつくる会ではなく、それぞれの在り方や味噌への認識、食べ物のストーリーなど、色々なものを考え直す機会になったなぁと感じています。そして、この2人とイベントを企画するという体験の中から得られたものも大きかった。
その中でも、僕なりに印象的だったところをピックアップしてみます。
対等さ
「対等さ」というのがイベントを企画していく中での1つのキーワードでした。
企画する段階では、僕と貴さん、海くんとの間にあるパワーバランスをいかにとるか。
年齢の差や、今までの経験の差があり、無意識にパワーアンダーなポジションを取りがちになることも多かったです。
そして、それはパワーオーバーになっている側も辛かったり、意図していなかったりする。
2人とmtgなどを進めていく中で、僕の状態や出したい声があるかをケアしてくれたこと、チェックインをすることが対等さを大切にするのに役立ちました。
そして、イベント中にもできるだけ対等さを大切にしようという意識でいました。
会場に慣れている人もいれば初めての人もいる。僕らと知り合いの人もいれば初めましての人もいる。1人で来ている人も子連れで来ている人もいる中で、「参加者それぞれが気楽に、したいことをできる時間にするためにどうしたらいいだろう」というのを意識していました。
その中でも機能した感覚があったのは、全部伝えちゃうこと。
「それぞれがしたいと思うことをして欲しいと思ってる。子供のケアや、自分のスペースなど、大事にしたいことがライブで生まれてくる中で、『味噌づくりをしなきゃいけない』というものに捉われずにいて欲しい」
ということをイベントの最初の方で伝えました。これがあったからか、少し1人で休んだり、子供と海に遊びに行ったり、ライブで生まれるニーズに対して罪悪感を持つことなく、休む選択や子供のケアをするという選択ができたのかも。と思っています。
味噌のストーリーと態度経済
「味噌」という漢字の意味から始まる「味噌」についてのストーリーと、
今回の味噌に使う材料の麹、塩、大豆と、ランチに使う野菜について、それぞれがどこから来たのか、なぜそれを選んでいるのか、その選択の背景にはどういうものがあるのか、という今から作るもののストーリーをとても丁寧に話してくれたのが印象的でした。
生産者の想いやその背景にあるものを知ることで、「今からこのストーリーに加わるんだ」とこれからの体験がより味わい深いものになったような感覚がありました。
そして、その話の中で出てきた面白い言葉が「態度経済」というもの。
これは「独立国家の作り方」などで有名な坂口恭平さんが提唱したもので、簡単に言えば、
「社会をよりよくしようという態度を見せ続ける人を、社会は飢え死にさせちゃまずいと考え、相互扶助を行い始める」
というもの。ギフトエコノミーとも被る部分があるけれど、社会のこういう力が働いているのはとても感じるし、クラウドファンディングなどはこの態度経済をエンパワーしているようにも思う。
在り方に対してエネルギーが流れるこの態度経済。新しいものというよりは、今まで普通にあった経済の一種に名前をつけた感じだけど、いろんな情報の共有が加速することでこの種の経済が大きくなっていくんじゃないかな〜。
面白い視点だなぁと思います^^
みそから見えるグローバル経済
みそのストーリーを見ていく中で、みその原材料の一つである大豆の話がありました。
大規模大豆栽培について、大豆の生産量はこの10年で10倍に増え、その栽培面積は100万km^2以上になっているとのこと。
これはフランス・ドイツ・ベルギー・オランダの面積の合計とほぼ同じだそう。
つまり、地球上の広大な森林やサバンナを火入れ、開拓し、産業用の大豆畑にしている。
これによりその地域の生態系バランスは崩れていて、最近のアマゾンの大規模な火災の原因の一つにはこの産業用の大規模耕作があると思う。
スーパーなどで確認したらわかると思うんだど、味噌や納豆、豆腐などの豆製品の大豆は「アメリカまたはカナダ」産の物が多い(特に安いものほど)。
豆に限らず、こういう商品の背景には、こういう環境破壊が潜んでいることが多い。
そして、最近はこうやって作られたものが「有機」だったりもする。そのほうが売れるからね。
こういう商品を買うことは、その背景にあることを応援することになっている。
だから僕は、無理のない範囲でできるだけ近くで作られたものを買うようにしています。
なんで安いの?
でも、なんでわざわざ海外から運ばれてきたものの方が安いのか。
あんまり説明しすぎるとかなり複雑なのでそこまで触れないでおこうと思うけれど、「安く見えている」だけで、そのコストは決して安くはないんです。
他の国の人の不当な労働環境による労働や、僕らが払っている税金からわかりづらーいようにしてそのコストを前払いしているんだよね。
だからいざスーパーの商品棚に並んだ時は、半径20kmで完結している隣の国産商品よりも、海の向こうからたくさん燃料を使ってきたものの方が安くなっている。
こんな経済のリアルな部分もみそから垣間見ました。
「朝みそ」はじめました

あと、僕のライフスタイルに確実に影響を与えたのが「朝みそ」。
「みそはすごい!」と思いつつも、朝から野菜切って火通して洗い物して…というのは少しハードルが高くてできなかった怠惰な僕。
なんだけど、「ただみそ玉にお湯かけるだけでできる」というのを聞いて目が覚めました。笑
今までなんとなく、「味噌汁には具が何種類か入ってないと」という固定概念の中で生きていました。
でもスーパーフードなのは具よりもみそで、朝にちょうど摂りたい水分も取れて、美味しい。
めっちゃ簡単です。
朝のコーヒーの前に、代わりに。朝みそ、どうですか?
最後に、とっても印象的なのがデコさんの「お金はないけど、超リッチ」という言葉。
ブラウンズフィールドでは、1年に使う分以上の味噌を毎年4日間かけて仕込んでいて、「いつでも好きなだけ味噌が食べられる」という状態だそう。
腸内細菌的な意味でも、身体の健康的な意味でも、コミュニティの健康的な意味でも、「超リッチ」だなぁ。としみじみ感じました。
こんな素敵な味噌づくりの場、また開催するのでぜひチェックしてください!^^